ダルビッシュがレンジャーズ移籍を決めて、昨日、札幌ドームの内野席に1万以上のファンを入れて公開記者会見をやった。
そこで、ファンに向けてはじめて話した移籍の理由が衝撃的だった。
ダルビッシュ「僕は勝負がしたい」 札幌ドームで会見@朝日新聞
>「試合前に対戦相手から『投げないで』とか、『打てない』とか聞いていると、フェアではないのでは、と引っかかっていた」。7年間で93勝38敗、防御率1.99。沢村賞など数々のタイトルを手にし、国内では別格の存在になっていた。周囲の期待が高まるにつれ、「メジャーに行かないといけないのかな」。世界最高峰の舞台に目が移るのは自然だった。
ダルビッシュが高みを目指して己を鍛えるほどに、日本の中には、その高みがなくなっていった。
富士山に登るために鍛えているわけではないとすれば、エベレストに登るしか無い。
ダルビッシュをアメリカに追いやったのは、日本人野球選手だったということだ。
これは、多くの選手が聞いて反省すべき言葉だと思うけど、どうせヘラヘラ笑って聞き流すんだろうね、多くの選手は。
札幌はファンが熱心だから、ダルビッシュは大リーグに行きたくないとまで行っていた。
>「メジャーに行くくらいなら野球をやめる」と語っていた。その気持ちを動かしたのは、先輩の日本人大リーガーたちが口をそろえてきた「メジャーへの憧れ」ではなかった。
この辺の経緯は、なぜか中日新聞が一番まとまっていた。
ダルビッシュが札幌Dで退団会見 「世界一の投手になる」と約束@中日スポーツ
>レンジャーズに入団したダルビッシュ有投手(25)が24日、7年間過ごした古巣・日本ハムの本拠地・札幌ドームで退団会見を行い、世界一の投手になると宣言した。米時間21日に行われたレ軍での入団会見では語らなかったメジャー挑戦の理由に触れ、日本で打者と真っ向勝負できる環境でなくなったことを挙げ、ハイレベルな世界を求めざるを得なくなったという胸の内を明かした。ファンに無料開放されたスタンドには平日にもかかわらず1万811人が詰め掛け、エースとの別れを惜しんだ。右腕の目も心なしか潤んでいた。
この書き出しも一番すっきりと要約しているんだよねえ。
中日スポーツは野球記者のレベルが高いのか?
さて、これでダルビッシュが成功すれば、日本人野球選手の大リーグ挑戦も新時代に入るといえる。
野茂が切り開いた「挑戦」の時代から、ダルビッシュが切り開く「確認」の時代へ。
実は、イチロー、松井、松坂あたりは「挑戦ではなく確認」のレベルだったけど、本人にはまだ「挑戦」の意識があった。それが、ダルビッシュで明確に「確認」の時代になったんだ。
それは、アメリカも日本人選手に求めるものが変わってきたことを意味する。
野茂の時はアメリカという国が持つ「挑戦を許容する」精神で受け入れた。
佐々木、イチローあたりから「戦力として計算」する合理主義が出てきた。
松井、松坂あたりで、「商業としての成功」を求めるようになった。
井川の失敗、岩村、松井稼頭央の3年目以降など、このところ日本人選手にも陰りが見えてきて、去年の岩隈、今年の中島のポスティング破談、青木、川崎の入札額の低調など大リーグ側も日本人選手の評価をはっきり撃ち出すようになってきた。
その中での、ダルビッシュの高額落札、そして、ダル側手動の入団契約交渉。
いかに、彼の評価が高いか、そして、彼が「マイナー契約でも大リーグに行きたい」という青木や川崎と違って、仕事としてメジャーリーグを選択したかがわかる。
ダルビッシュがどの程度大リーグで通用するのか「確認する」シーズンが始まる。
米大リーグ:「世界のダルビッシュに」 札幌ドームで会見、1万人が熱いエール /北海道@毎日新聞
>札幌ドームでは午後3時の開場前から2500人以上が並び、急きょ開場が25分早められた。一番乗りという札幌市厚別区の男性会社員(48)は「最後なので有給休暇を取ってきた。いい位置で見るため、朝5時から並んでいます」。同市豊平区の主婦、小林佳子さん(67)は「感謝の気持ちを伝えたい。いなくなるのは寂しいけれど、これからは世界のダルビッシュになって」と期待した。
マイナス5度の札幌で朝5時から並ぶんだから熱いよねえ。
東京で考えていると分からないけど、札幌の日ハムファンは熱いんですよ。
その中で投げていれば、15勝から20勝くらい毎年できてしまうだろうに。
孤高のダルビッシュの寂寥感が、彼を大リーグに行かせたんだなあ。